悲しいことがあった時に。気持ちを落ち着かせる為の3つのこと。

大切なものを失ってしまった。

頑張ったことが水の泡になってしまった。

愛する人が居なくなってしまった。



このような出来事に直面すると、
胸が苦しくなると同時に、悲しい気持ちになります。




これは、
「失ってしまった..」「傷つけられてしまった..」
といった「事実」が、心に大きな穴を空けてしまうためです。




そして、
その「出来事」が大きければ大きいほど、

悲しみはずっと心の中に残り続けます。



悲しみを感じないように、
楽しいことしたり、気にしないようにしても、
また何かのタイミングで「悲しみ」は起きてしまいます。



これは、
私たちの脳が「ある事実」を認識できていないことにあります。



それと同時に「過去の記憶」が思い出され、
ふたたび悲しみが起きてしまうのです。



しかし、
これは「日々受け取っていたもの」に気づくことで、

寂しさ、切なさ、悲しみを手放していくことができます。



今回は、「心の仕組み」の解説とともに、
悲しい気持ちを「安心」へと導く方法をお伝えするべく、



気持ちを落ち着かせる為の3つのこと。



を紹介します。



本記事が「心の処方箋」になれば幸いです。

どうして人は「悲しく」なるの?


悲しみは、
自分の「信じていたものが失われたとき」に起こります。



そして、
その感情は「記憶を司る海馬」によって引き起こされます。



どういうことなのか説明いたしますと、
私たちの脳内には、不安や恐怖を監視する
「扁桃体」というところがあります。

そして、
どのような「出来事」であっても、
必ず「ここ」を通ります。



どうしてなの?と言いますと、
その出来事が「自身」にとって、

  • 安全なのか

  • 危険なのか


をジャッジするためです。

▽扁桃体についてはこちらを読んでみてね▽

悪いことばかり思い出す

悪いことばかり思い出す時に。強い効果を発揮する3つの対処法。

2020.08.12

たとえば、私が「ジェットコースター」に
どうしても乗らなきゃいけない場面になったとします。




このとき、
私の扁桃体
記憶を管理している海馬から、
「ジェットコースターに関する思い出」を引き出します。

これは、今から起きる「出来事」が、
安全なのか危険なのかを判定するためです。



ですので、
何かの出来事があったときには、


扁桃体が

過去の記憶を引き出す



こういったことが起こります。



このあとに、脳の「大脳皮質」というところが、

その思い出を「色鮮やか」にします。

そして、
私の思い出の中に、


  • 乗る前に感じた不安や心配

  • 乗ってるときの恐怖感

  • 終わった後の茫然自失


こういったことがあれば、
扁桃体は「危険」と判断します。



仮に、

今まで「乗ったことがなかった」としても、

  • 怖そうな悲鳴をきいた

  • まわりの人が怖いと言っていた

  • 動画を見て怖さを感じた


このような「印象」があれば、
同じく危険と判断し、緊張や不安が起こります。



そうすると、
脳は
ノルアドレナリンという物質を分泌し、
交感神経や心拍を活発にし、危険から逃げられる状況を作ります。



しかし、逃げることもできず(;´e`)、
現実を受け止めなければならない状況になると、

  • どうしてこんなことに..

  • どうすればいいのか分からない..

  • 乗れない自分はダメな人間だ..


このような「落ち込んだ気持ち」になります。



これは、

いつもなら、
コーヒーカップに乗るはずだった。

いつもなら、
メリーゴーランドに乗るはずだった。


こういった感じに、
私の中の「いつもの安心」が失われたからです。



そして、この安心は、
「今回も必ずあると信じていたもの」になります。



このように、
「必ずあると信じている」という思いのことを、

Belief system(ビリーフシステム)と言い、

  • 思考:物事の考え方、捉え方

  • 感情:物事に対する想起、反応

  • 習慣:自身の決まりごと(ルール)

  • 心情:自身の誇り(大切な思い)


こういった「価値観」を形成しています。



これは、
自身が今まで、

長く時間を過ごしてきたもの。

たくさん経験してきたこと。

たくさん感じてきたこと。

になります。



ですので、
先ほどの私で言えば、

  • コーヒーカップで安心を得たこと

  • メリーゴーランドでの楽しい思い出


こういったことを「たくさん経験してきた」ので、
これを「ずっと信じていた」のです。



しかし、その「必ずあると思っていたもの」が、
ジェットコースターという出来事によって無くなった。



つまり、
あると信じているものが失われた
ので、悲しみに至ったのです。



このような「たくさん経験したこと」には、
「親しみや愛情」「安心や幸せ」といったものがあります。



言い換えると、
自身の「心の思い」が深く結びついているので、
思いが大きいほど「失ったときの悲しみ」も深くなります。



そして、私たちは、
その大きな「心の思い」を常に持っています。



それが、


家族と過ごした時間

親友、愛する人と過ごした時間

自身の誇り(大切な思い)

親しんできたもの、場所
です。


悲しみを「なくす方法」はあるの?


私たちが悲しみを感じるのは、
過去の「強い印象」が大きく関係しています。



そして、それを管理しているのが、
冒頭でお伝えした「海馬」です。



ここは、

  • 短い時間の出来事

  • あまり経験しなかったこと

  • インパクトの弱いもの


こういったことを、
長いあいだ覚えられない特徴があります。

▽詳しくはこちらを読んでみてね▽

【学習した努力が報われる】簡単でスマートな3つの方法。

2020.07.25

その結果、
先ほどの私のように「大したことない
悲しみ」は、
海馬に「新しい情報」が入るたびに消えていきます。




ですが、

  • 家族やペットとの別れ

  • 親友、愛する人との別れ

  • 自身の心を傷つけられる

  • 大切なもの、場所を失う


こういった「深い悲しみ」は、
すぐに忘れることはできません。



これは、

  • 安心

  • 愛情

  • 幸せ


といった印象が「大きく刻まれている」ためです。



長い年月であるほど、長く親しんできたほど、
それは心の中に「鮮明」に残ります。



私たちは、突然の出来事が起きると、
「実感がない」「信じられない」と感じるときがあります。



これは、脳が「その印象」に対して、
今も続いているものと思い込んでいるためです。




ですので、大きなものを失ったときに、
事実を受け止められないと感じるのは、



人として普通に起きることなのです。




そして、
私たちは少しずつ「失った事実」が分かると、
それは「悲しみ」という感情になって現れます。



このときに、

大きく落ち込む

胸が締めつけられる

無力や失望感が起きる

挫折や脱力感が起きる

泣いてしまう

寂しくなる

こういった状況になります。



これは、
扁桃体が「安心」と判定していた心の場所に、
大きな穴が空いてしまったためです。

今その場所が180度「不安」に反転してしまい、
穴の大きさだけ恐怖を感じてしまっているのです。

このときの大きなギャップが、
強い悲しみとなって起きてくるのです。



しかし、その空いてしまった穴は、
心に「大丈夫」という事実を教えてあげることで、

少しずつ埋めていくことができます。



先ほどの例で言いますと、
私がジェットコースターを乗り終えると、


  • 意外と大丈夫だった

  • 思ったほど怖くなかった

  • 何であんなに怖がっていたのか


こういった「印象」を受けました。



このような「大丈夫だった事実」を受け取ると、

その印象は脳に深く記憶されていきます。



そうすると、また同じ出来事があったときに、
前回は「大丈夫だった」ので、扁桃体も「今回も大丈夫なのでは?」と思い始めます。



その結果、
以前よりも「危険」という認知が弱まり、
出来事に対する不安や恐怖も弱まっていきます。



つまり、
たくさん「大丈夫だった事実」を経験すると、
自然と「安心感」が作られていくのです。




ちなみに、
悲しみの「原型」になっているものは、

「不安や恐怖」といった感情になります。



ですので、少しずつ
自身の心に「安心・愛情・幸せ」である事実を与える。



そうすることで、
扁桃体や海馬の敏感さも弱まると同時に、
悲しみもだんだん消えていくようになります。


気持ちを落ち着かせる為の3つのこと

自身の「気持ち」に素直になる

悲しみの感情のもとになっているのが、
私たちの扁桃体が起こす「不安や恐怖」です。



このとき、脳からは、
ノルアドレナリンが多く分泌されます。



これは、
「ある一定量」であれば、

  • 集中力の向上

  • 行動に対する積極性の向上


といった「効果」に繋がります。



しかし、悲しみが強いときは、
ノルアドレナリンは「一定量」を超えるので、
これが「毒性」に変化します。




そして、
この状態が長く続いてしまうと、

  • 免疫機能の低下

  • 内臓機能の低下

  • 脳の機能の低下


このようなことが起こり、
心身に大きな影響をもたらします。



ですが、
こういった状況をすぐに対処できる、
私たち「人」だけに与えられた唯一の能力があります。



それが、



涙を流すことです。



人は涙を流すことによって、
セロトニンという「心を安定させる物質」を促します。



そうすると、
毒性を帯びているノルアドレナリンを抑制し、
心とカラダを安定した状態へ戻します。



ですので、
悲しみが大きいときは、

心の気が済むまで泣いてください。



そして、
スポーツ飲料で水分補給してください。



よく、
悲しくても「涙をこらえる」「我慢する」、
ということがありますが、それは絶対に止めましょう。



なぜなら、
悲しみの感情を堰き止めてしまうと、

  • 無力感

  • 失望感

  • 脱力感

  • 倦怠感


こういった感覚が大きくなり、
「うつ」に発展する可能性があるためです。




私たちの心とカラダは、
常に「ベストな状態を保つ」ことを役目としています。



そのため、心身に異常が生じたときは、

「心とカラダを守る」ような反応を起こします。



不安や悲しみを感じて涙することは、
いい大人が「みっともない」と思われるかもしれません。



しかし、
このような自然と湧き出る感情には、
心身を守る「ちゃんとした理由」があるのです。




悲しいときは、ご自身の「心の気持ち」を、
十分感じさせてあげてくださいね。(^e^)


気持ちを「外」に解放する


先ほどの説明のように、私たちの心身は、
常に「ベストな状態」を保つようになっています。




そして、その管理をおこなっている
メインの場所が「脳」です。




私たちの脳は、
「心」と表裏一体であると同時に、
カラダとも密接に繋がっています。



そのため、「心」が感じていることは、
思考・感情・カラダを通して「外」に出てきます。



たとえば、「赤ちゃん」はまだ力が小さいので、
大人のように「自分で身を守る」ことができません。




なので、心が何かの危険を感じると、
脳が5感を通して「悲しみ」を外へ知らせます。



そして、このとき大きな声で泣きますが、
これは「心が発する自分の気持ち」を伝えるためです。



私たち「人の心」は生まれたときから、
相手やまわりに「気持ちを知ってもらいたい」という仕組みになっているのです。



ですので、
悲しみが続くときは、

  • 両親(育てた人)、兄弟姉妹

  • 親しい友人、恋人

  • 長い付き合いのある人


こういった「打ち明けられる人」に、



悲しい気持ちを聞いてもらいましょう。



そして、
自身の「心の気持ち」を伝えてください。



それが「むずかしい場合」は、
「紙に書き出していく」という方法もあります。



いま感じている悲しい気持ちを、
どんな小さなことでも「すべて」書き出しましょう。



このときに重要なのは、
心で感じていることを「外に出す」ことにあります。



そうすることで、
自身が「事実を受け入れる」ということができます。



私たちの心は、
失ってしまった大きな「安心・愛情・幸せ」を、
少しずつ時間をかけて修復していきます。



それには、
少しずつ「事実」を受け入れていく必要があります。



どうしてなの?と言いますと、
私たちの心とカラダは、現状の変化にとても「敏感」です。



そのため、
失ってしまったという大きな変化(事実)を、
すべて「受け取る」ということができません。



なぜなら、
大きな変化の受容に脳が耐えきれず、
心身が「大きな損失」を受けるためです。



その結果、
脳はそのリスクを避けるために、
悲しい事実を「受け取ろう」としません。



私たちが「幸せだった過去」を見てしまうのは、
心身を守るために「事実を受け入れない」ようにしているのです。



しかし、
事実に目をつぶって過ごしていると、
過去を見るたびに「悲しみ」は付きまといます。



ですので、少しずつ時間をかけて、
心に「事実」
を教えてあげてください。



そうすることで、
過去を思い出すたびに感じる不安や悲しみは、
少しずつ自身のもとから離れていきます。


受け取っていた「大切なもの」に気づく


先述のように、私たちの心は、
「事実を受け入れること」によって修復していきます。



悲しみの感情は個人差にもよりますが、
長くても「20日くらい」でおさまっていきます。



これは、
脳の記憶を形成するニューロン神経回路が、
3週間ほどで「新しいもの」に変わるためです。




そうすると、
新しい「情報」が脳に記憶されるたびに、
今の「悲しみ」も少しずつ消えていきます。



ですが、悲しい出来事「そのもの」は、
忘れることができません。



楽しいことで気を紛らわせたり、
アルコールに浸って一時的に消せたとしても、
その「記憶」は存在し続けます。



このとき重要なのは、



日々受け取っていた
大切なものに気づく



ことにあります。



悲しみが強いときは、

  • 自身の無力感

  • 自身への後悔

  • 自身への罪悪感


このような、
「自責の念」に駆られることもあると思います。



やりきれない思い、悔しい思いが残り、
とても辛く、寂しく悲しいです。



しかし、
その失ってしまったものには、


今まで自分に安心をくれていたこと

今まで自分を愛してくれていたこと

今まで自分を幸せにしてくれていたこと


こういった、
「日々受け取っていたもの」があります。



これは、
自身が再び「新しい幸せを築く大切なもの」です。



大きな悲しみは、
今まで心の中にあった「幸せだったもの」が、
大きく無くなってしまうことで起きます。



ですが、
その「無くなってしまった」と思える場所には、
日々受け取っていた「大切な気づき」がたくさん残っています。



悲しい出来事に直面したときは、
立ち直るのに時間を要するかもしれません。



そのときは、ゆっくり時間をかけて、
過ぎ去った日々の「大切なもの」を思い出してみてくださいね。



その「思い出」が消えないかぎり、
私たちの心は、新しい「安心・愛情・幸せ」を築き始めていくことでしょう。


エンディング(まとめ)


今回のお話しは、

1.自身の気持ちに素直になる

自身の心のままに、涙を流しましょう。

2.気持ちを外に解放する

心で感じている気持ちを、
打ち明けられる人に聞いてもらいましょう。

3.受け取っていた大切なものに気づく

いつも受け取っていた大切なものを、
時間をかけて心に教えてあげましょう。

になります。


私たちが生きていく中では、
愛する人との別れ、大切なものとの別れは必ず来ます。




長い月日を重ねてきたほど、
たくさん親しんできたほど、その悲しみは大きくなります。




胸が苦しくなって涙がこぼれるのは、
それだけ自身の愛した「存在」が大きかったのです。




そして、
それだけ自身のそばに「居てくれた」のです。




人は、同じ時間をたくさん過ごすと、
大切なことを忘れがちになってしまいます。




いま感じている安心や幸せも、
たくさん過ごしてきた「時間」が作り上げてきたものです。



私たちの中にある「大切なもの」は、
こういった「時間」によって作られていきます。



ですので、
いつもご自身のそばに居てくれる「存在」を
ずっと大切にしてくださいね。